Vol.050 EURO2016

Italia_Qualificazioni1-638x425欧州サッカー最大の祭典「EURO2016」が開幕した。

実はお互いそんなに仲の良くない欧州各国にとって、ある種のガス抜きイベントとしても機能している、欧州最大のサッカーのお祭りである。

もちろん選手たちにとって最も重要な大会はワールドカップなのだが、欧州選手権たる「EURO」は、それに勝るとも劣らない重要なイベントである。
実際の所、ブラジルとアルゼンチンを除けば、ワールドカップの優勝国は欧州にしか存在しないので、事実上の頂上決戦という言い方もできなくはない。

その試合の特徴はなんといっても「熱さ」である。
ワールドカップ同様4年に一度開催されるのだが、近親憎悪ではないが、歴史的な遺恨のある国同士の戦いなどは冒頭のように、かなりのガス抜きというかフェアな戦争とも言えなくもない熱い戦いが繰り広げられる。

今回、無事に本戦出場を果たしたイタリアなのだが、いかんせん今年の代表の小粒さ加減といったら過去に例がないほど。本大会開始直前のキャプテン、ジャンルイジ・ブッフォンのコメントも、ある種サバサバとした、誰からも注目されないような乾いたものだった。しかし、念の為に言うと前回大会は実は決勝でスペインにこそ敗れたものの、実は二位。
そんな実績もどこへやらの全くの期待されないっぷりがすごかった。

 

そこへ来て緒戦の相手は現在FIFAのランキング1,2位を争う強豪ベルギーである。私も含め、誰もがイタリアの敗退を強く予感していたのだが、期待されない時のイタリアほど老獪かつしたたかなチームも少ない。

 

Italia_Belgioなんとなんと、蓋を開けてみれば見事なカウンターから2−0の圧勝だったのだ。

出場前チーム中最高齢、タレントはいない、話題もない、期待もされていないと、ナイナイづくしのこの大会なのに、よりにもよって大番狂わせを最初からぶちかましてくれるなど、一体何が起きているんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには戦術オタクと呼ばれるイタリア人の特性にも秘密がある…。
サッカーなどボールをゴールに蹴り込めば良いのだろうという向きには、ちょっと感心のない話かもしれないが、なかなかどうして面白い話が盛り沢山である。
続きは次号で!

 

A Prestissimo!!